業務の属人化が進む会社で、人事が最初に確認すべきこと|体制整理の進め方

業務の属人化が進む会社で、人事が最初に確認すべきこと

〜あの人がいないと業務が止まる・引き継げない・本人の問題か仕組みの問題か分からない、業務属人化の背景を読む〜


「あの人がいないと、その業務が止まってしまう」「引き継ごうとしても、うまく渡せない」「本人の問題なのか、仕組みの問題なのかが分からない」「何から手をつければいいか見当もつかない」——そういう状態のとき、多くの場合は属人化の”原因”と”対処”が混在したまま動いてしまっています。

管理職は「マニュアルを作れ、引き継ぎしろ」と見がちですが、人事から見ると「業務が可視化されていない・評価が属人化を温存している・仕組みの設計に誰も関与していない」という構造的な問題が先にあるケースが少なくありません。実際はどちらの問題も絡み合っているケースがほとんどです。

業務属人化が起きるとき、どこに原因があるのかを、現場の視点から確認していきます。

※個別の事情によって判断は異なるため、「現場で整理するための考え方」としてご覧ください。


業務が属人化するときに最初に見ておきたい3つの課題


  • 属人化が引き起こす経営・組織へのダメージ
  • 属人化を生む3つの構造的要因
  • 放置するほど解消コストが上がる

業務が属人化するときは、どこに問題があるかを先に見ることで、その後の対処の方向が変わります。

どこから手をつけるかは、業務のどこで引き継ぎや共有が止まっているかを見ないと判断しにくいところです。

● 属人化が引き起こす経営・組織へのダメージ

属人化した業務は、担当者の不在時に業務停止リスクが生じます。他のメンバーが内部情報を把握できず、引き継ぎに多大なコストがかかります。経営層・管理職が実態を把握できないため、業務改善の余地も見えにくくなります。中小企業では特定の1〜2名への依存度が高く、離職時のダメージが大きくなる傾向があります。

● 属人化を生む3つの構造的要因

①業務の可視化がされていない(誰が何をしているか不明)②評価が「その人にしかできない」状態を温存している③人事・管理職が業務設計に関与していない——この3つの要因が重なると、属人化は組織構造として固定化されます。個人の問題ではなく、仕組みの問題として捉え直すことが、解消の糸口になります。

● 放置するほど解消コストが上がる

属人化は時間が経つほど深刻になります。担当者が「自分しかできない」状態を快適と感じ始め、ナレッジ共有への動機が薄れます。また新入社員・中途社員の育成が機能せず、組織全体の成長が止まります。早期に構造的な対処を行うことが、長期的なコスト最小化につながります。


業務属人化を解消するときに押さえたいポイント


  • 業務棚卸しで”見えない業務”を確認する
  • 仕組み化で”誰でもできる”状態を確認する
  • 育成で”組織の担い手”が増えているかを確認する

業務が属人化している会社では、同じような問題が繰り返し起きやすくなります。

● 業務棚卸しで”見えない業務”を確認する

まず担当者が担っているすべての業務が把握できているかを確認します。管理職・人事が一緒に確認することで、本人も気づいていない属人業務が浮き彫りになります。棚卸しの目的は完璧なリストではなく、「何が見えていないか」を明らかにすることです。

● 仕組み化で”誰でもできる”状態を確認する

業務が整理されたとき、手順や判断基準が他の人に渡せる状態になっているかを確認します。属人化業務をいきなりすべて仕組み化しようとすると止まりやすいため、リスクの高い業務から優先して整理することが重要です。

● 育成で”組織の担い手”が増えているかを確認する

仕組みが整っても、使える人がいなければ属人化は解消されません。OJTや実務練習を通じて他のメンバーに業務を移管できているかを確認します。管理職が進み具合を見ながら、人事も状況を把握できている状態のほうが、属人化は戻りにくくなります。


業務属人化で見落としやすいポイント


  • 「属人化している人を責めない」文化づくり
  • 人事が整理の進捗を把握する
  • 小さく始めて継続する

業務属人化を整理するときは、仕組みとして正しくても推進の仕方で止まりやすいポイントがあります。

● 「属人化している人を責めない」文化づくり

属人化を指摘された担当者が「自分が問題視されている」と感じると、ナレッジ共有に消極的になります。組織として「属人化は個人の問題ではなく仕組みの問題」という認識を共有し、整理への協力を貢献として評価する姿勢が重要です。経営・管理職が旗を振ることで、現場の協力度が大きく変わります。

● 人事が整理の進捗を把握する

属人化の整理は現場任せにすると後回しになります。人事が進捗を定期的に確認し、管理職にフィードバックを行うことで推進力が生まれます。また整理の記録を蓄積することで、次の育成計画にも活かせます。

● 小さく始めて継続する

完璧な仕組み化を目指して一度にすべてを変えようとすると、プロジェクトが停滞します。まずリスクの高い業務を一つ整理することを目標にし、成功体験を積み上げてから範囲を広げるアプローチが継続性につながります。


まとめ


  • 業務属人化が起きているとき、本人の問題と仕組みの問題を分けて見ることが、解消の第一歩です
  • 業務の可視化・仕組み化・育成の各段階で何が確認できていないかを整理することで、どこから手をつけるかが見えてきます
  • 「属人化は個人の問題ではなく仕組みの問題」という認識を組織で共有し、経営・管理職・人事が連携して整理を進めることが重要です

業務属人化が起きているとき、本人の問題か仕組みの問題かを見極めることが、解消への第一歩です。業務の可視化・仕組み化・育成の各段階で何が確認できていないかを整理することで、どこから手をつけるかが見えてきます。

「あの人がいないと回らない」と感じたときは、まず業務のどこが見えていないのかを確認するところから始めてみてください。

人事課題の本質を整理するには、こちらの記事も参考になります。

▶ 人事課題の構造を可視化する方法はこちら

「あの人がいないと回らない」原因を整理し、自社に合った属人化解消をサポートします

トナリの人事部長®・トナリの人事課長®は、「あの人がいないと回らない」という状態から、本人と仕組みのどちらに問題があるかを一緒に確かめながら、実際の解消まで支援しています。「どこから手をつければいいか分からない」と感じる場合は、お気軽にご相談ください。

▶ 詳細・お問い合わせはこちら(トナリの人事課長®)


       ブログ一覧に戻る